case 01-3 うんちく

  まぁ細かいことは医者ではないので大雑把に書きますと、フェブリクなどの尿酸値に効く痛風の改善薬は肝臓の機能を減少させて尿酸を作り出す部分を抑制する働きがあります。副作用としては疲れが抜けにくくなったりなど回復力が低下します。


 で、私の場合なんですが実はまぁ 脂肪肝 でして、血中の中性脂肪もかなり数値が高いわけです。これの回復が遅くなるということはすべての療養にも毎日の生活にも悪い状態が長引く影響があるということ。ただでさえ肝機能が低下しているところに追い打ちはまずいということです。



 痛風は尿酸値が高いとなるわけですが、血液検査でわかるということは血に溶けている濃度が濃くなっているということを指します。


 本来濃度が高くなる前に余分な尿酸は文字通り尿に溶け込んで排出されるわけですが、溶け込んで排出されたあともそれでも濃いままの尿酸値ということはつまり血の中で飽和しているということ。腎臓というろ過器が尿酸を尿の中に溶かして尿酸が抜けた血液を体内に戻すはずなのですが、尿の中に溶け切らない分の尿酸を持て余してまた血に戻してしまうイメージです。


 濃い尿酸は仕方なく血に溶けたまま体を巡るのですが、血にももう溶けていられるほどの余裕が無いのにさらに肝臓が尿酸を作る(生命活動です)わけなので、腎臓は常に血中尿酸飽和濃度の中を作業することとなり、常にフル回転しながら自らも尿酸高濃度の中でさらされてしまうために痛みやすくなります、酸ですからね。この異常な中で可動し続けるということはそのままでは腎臓がぶっ壊れて機能しなくなり、最果てでは透析という自力では血をきれいにできなくなってしまうという絶望への道へ舵を切ることになるかもしれません。



 なので…というか幸いというか尿酸は結晶化しやすくなっており、血中で一定濃度以上はその結晶化も進みます。その結晶化した尿酸は体の骨や臓器…特に骨、その関節部分などくっつきやすい箇所にくっついていて血液からは分離され、血中濃度をこれ以上あがらないようにする苦肉の策を講じます、結晶化した尿酸はいわば尿酸の貯金のようになっているわけです。こうなってしまうと血液内の尿酸がいくら下がっても結晶が血中に溶けかえり、つまり結晶すべてが溶けて更に尿に溶け出てなくなるまで終われないサイクルが始まります。


 この状態ならまだ溶けられる余地を血液に作れるわけですが、ずっと改善しないでいると最後には尿酸結晶すらくっつけない状態まで行ってしまい、やがて本当に体が壊れてくでしょう。



 痛風発作はこの骨についた結晶が『バリッ!』と剥がれるなどして、それを異物と察知した白血球が自らの仕事をするので起こります。なのでこの発作を早く終わらせるのは、その結晶が早く体に取り込まれて白血球のお仕事が終了(つまり異物の消滅を確認)すると良いということになります。


 フェブリク、ベンズブロマロン (ユリノームとか) などで血中尿酸濃度を低く保っていると、すでに体についている結晶がじわじわ溶け戻り、やがて無くなっていくイメージができると思います。しかし、仮に血中尿酸値が今日さがったとして、明日には溶けていくものでしょうか?答えは NO です。結晶化してしまった尿酸は溶けにくく、尿酸値を低く維持し続けた上に長い期間経たないと溶け戻るまでいかないわけです。


 ということはこれら薬は処方されたらずっと飲み続けなければ効果が出ないということになります。そう、薬漬けの毎日。そしてずっと飲み続けると肝機能が本気出せない状態で長くかかるということになるわけですね。



 いかん、それはいかん。



 ということで、決意の飲食制限と日々の意識改革で対抗し薬は飲まずにやるということを決意しました!


 あ!私はまだ引き返せるところにいたからそう出来たので、もしもかなり進んでしまっていたなら絶対飲んで治療したほうがいいです。腎臓が死ぬ前に。




▼case 01-4 へ続く

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